宗祖のことば ―弘法大師―

凡夫の心は合蓮華の如く、仏心は満月の如し。

『秘蔵宝鑰』より

人は、貪る、嗔(いか)る、疑うなど、さまざまな悪い心のはたらきが起こり、迷い苦しむことが多いのですが、弘法大師はそうした人の心を、蕾のふくらみをもった蓮華にたとえられました。
蕾は、やがてまばゆいばかりの花を開かせます。すなわち、人の心は日々の生活のなかで汚されていますが、本来、人の心の本性は清浄なものであり、仏性を開顕される可能性を、みな備えているのです。
そうした未完成な私たちの心に対して、仏心は、欠けるところのない満月であると、弘法大師はたとえられました。
月は、暗闇の新月から日々満ちてゆき、十五夜には満月となります。私たちも、心の本性を探求してゆくならば、まちがいなく次第に成長してゆき、仏と異ならない尊い菩提心の自覚を実現できるのです。

真言宗のご本尊と歴史

ご本尊

大日如来(だいにちにょらい)

脇侍

ご本尊に向かって右側…弘法大師
ご本尊に向かって左側…不動明王

真言宗の本尊と脇侍

宗祖

弘法大師(空海)(774〜835)

お唱えする言葉

南無大師遍照金剛
(なむたいしへんじょうこんごう)

本山

総本山

高野山真言宗 金剛峯寺 和歌山県高野町

各派本山

真言宗泉涌寺派 泉涌寺 京都市
東寺真言宗 教王護国寺 京都市
真言宗大覚寺派 大覚寺 京都市
真言宗御室派 仁和寺 京都市
真言宗智山派 智積院 京都市
新義真言宗 根来寺 和歌山県岩出町
真言宗豊山派 長谷寺 奈良県桜井市

経典

『大日経』『金剛頂経』『理趣経』『般若心経』『光明真言』

教義

真言とは仏の真の言葉、それを心と体で体得し即身成仏を説く考え。すべての仏教は欲望を絶つことを説いていますが、煩悩即菩薩、現実の世に仏になることを教えています。

真言宗の歴史

 真言宗をおこしたのは、弘法大師と呼ばれていた空海です。空海は今から約千二百年前、平安時代のお坊さんですが、「弘法も筆のあやまり」のことわざにもなっているように、筆の達人でもありました。
 空海はまた、社会事業に活躍したことでも知られており、日本最初の大学といわれる綜芸種智院を設立しましたし、技師として四国の満濃池を修築するなど、さまざまな土木事業を指導しました。
 唐にわたって密教を学んだ空海の活動の舞台となったのは、高野山の金剛峯寺、京都の東寺です。密教では、宇宙が大日如来と呼ばれる仏そのものであるとします。
 そして、空海は仏の前では人間は平等であり、大日如来と一体になって修行すれば、誰でも仏になれる、と説きました。こうした空海の教えはその後、貴族だけではなく庶民の間にも広がり、今日まで続いています。

真言宗の主な年中行事

行事
1 1~3 修正会(しゅしょうえ)
一年の息災を祈念する法会
2 3 節分会(せつぶんえ)
立春の前日で、新春を迎えるにあたって行われる除災招福を願う法会
2 14.15 常楽会(じょうらくえ)
別名涅槃会(ねはんえ)といい、お釈迦さまの入滅をお偲びする法会
3 21 正御影供(しょうみえく)
お大師さまが御入定された日、全山住職をあげてお大師さまに報恩を捧げます
3 下旬 彼岸会(ひがんえ)
春分の日の前後三日間
4 8 仏生会(ぶっしょうえ)
お釈迦様の御誕生をお祝いする法会
4 10 大曼荼羅供(だいまんだらく)
金剛・胎蔵両曼荼羅を供養する法会
5 3~5 春季胎蔵界結縁潅頂(しゅんきたいぞうかいけちえんかんじょう)
仏様と縁を結ばせていただく法会
6 15 宗祖降誕会(しゅうそごうたんえ)
お大師さまの御誕生日をお祝いします
8 11 盂蘭盆会(うらぼんえ)
先祖の霊を慰める行事
9 下旬 彼岸会(ひがんえ)
秋分の日の前後三日間
10 1~3 秋季金剛界結縁潅頂(しゅうきこんごうかいけちえんかんじょう)
仏様と縁を結ばせていただく法会
10 16 明神社秋季大祭
高野山の地主明神である高野明神の大祭
10 27 諡號奉讃会(しごうほうさんえ)
醍醐天皇より「弘法大師」の諡號(贈り名)を賜ったことを慶讃するために執行される儀式
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