夢で知らされた地蔵の逸話
あかかけ地蔵(じぞう)と洞泉寺(とうせんじ)

第二十七話
 

天正(380年ほど昔)のころ、郡山城内の大書院の西庭に、ひとつのくつぬぎ石(戸口や縁側の上り口などに置いた石)があった。

ある夜、郡山城主・豊臣秀長と洞泉寺の開祖・宝誉上人(ほうよしょうにん)は、このくつぬぎ石を洞泉寺へ移すよう命じる同じ夢をみた。

二人はさっそくその庭へ行き、石をひっくり返すと、地蔵さんであったので、急いで洞泉寺へ移したという。

またこの寺の地蔵堂の外にある大きな石風呂は、その時地蔵さんと一緒に移されたものといわれており、この石風呂の前の方に地蔵さんを立たせ、頭から湯(閼伽(あか))をかけて湯舟に使ったと伝えられている。

閼伽とは仏に供える水のことであり、そこで閼伽かけ地蔵といわれている。

この地蔵さんは今も洞泉寺の本堂の向かいにある小さなお堂にまつられている。