夢枕に現れた石工と引き合わせた
子安地蔵(こやすじぞう)と聖林寺(しょうりんじ)

第二十五話
 

和尚には三人の姉妹があり、それぞれ子宝に恵まれなかったり、恵まれても難産で苦しんだ。

心を痛められた和尚は、ついに女人泰産の願をかけ、笈(きゅう)(本を入れる箱)を背に負うて東は関東から西は山陰までの旅に出て、四年七ヵ月を経て帰山した。

長い旅で浄財を集めた和尚は、念願のお地蔵さんを作ろうとしたが、腕ききの石工がおらず困っていた。

そんなある夜、お地蔵さんが夢に現われ但馬の国朝来(今の兵庫県朝来郡)へ行けと命じた。
翌朝、旅に出た和尚はその日の夕方、三人連れの但馬の石工に出合った。
話を聞くと、その石工達もお地蔵さんの夢を見たという。
和尚は石工を寺に連れて帰り、五メートルもの大地蔵を作りあげた。

大和三地蔵の一つであるこのお地蔵さんは、他に類のない彩色三尊像で、子授け、安産の祈願仏として名高い。